おはようございます。「50代 一人旅に目覚めた男」の管理人ゆーさんです。
台湾・高雄の旅行の二日目午後。ホテルに一旦戻る前に、目の前にある「高雄駅旧駅舎」に立ち寄りました。現在、この旧駅舎は、高雄鉄路地下化展示館となっており、高雄駅再開発計画についての展示がされています。

台湾仮設駅
高雄市の中心駅である「
台湾鉄路管理局(台鉄)高雄駅」。

昨年10月13日まで使用されていた駅(上掲写真)は実は仮設の駅舎で2002年から運用されていました。あまりにも長い運用期間だったため、地元の人ですら仮設であることを知らなかった人も多かったようです。

高雄駅周辺かつて三塊厝(さんかいせき)と呼ばれていた土地で、日本時代の初期は全くの荒れ地であったといわれています。

この一帯が本格的な開発を受けたのは昭和時代に入ってからで、現在の高雄駅の場所に新駅が設けられたのは 1941(昭和 16)年でした。それまでの高雄駅は高雄港駅と名前が改められ、現在の高雄駅が高雄市の玄関となりました。

独特な風貌で知られた駅舎は、「帝冠様式」と呼ばれる建物で、鉄筋コンクリート造りの箱形の建物に、日本風の瓦屋根を載せています。

「帝冠様式」は戦時体制下の日本に生まれ
た独特な様式ですが、戦後、日本では、軍国主義の象徴としてほとんどが取り壊されてしまいました。

しかし、ここ
台湾では、この駅舎のほか、高雄市立歴史博物館などいくつかが残っています。こうした貴重な建物を大事に残してくれている台湾には日本人として感謝するとともに、これからも友好関係が続くことを切に願います。

この駅舎は、駅地下化整備のため、2002 年3月に現役を退き、写真のような仮設駅が設置されました。


高雄駅地下化プロジェクト

takaoeki高雄駅周辺では、在来線の地下化工事と地上部分の整備が行われています。このプロジェクトは、2002年からはじまり、今年で17年目になります。

高雄市政府の発表では、新駅舎と周辺エリアのデザインは、伝統的な寺廟前広場の要素を融合させる案の採用を決めており、完成後は、現代と伝統両方の美しさを兼ね備えたエリアとして生まれ変わります。 

新たな高雄駅は交通輸送の機能を備えるだけでなく、市民活動のために広大な屋外スペースも設けられます。厳しい暑さに見舞われる南部の気候に対応するため、広場の上部には屋根を設置。屋根の上は緑化し、自転車道やレジャースペースにするそうです。

現在「高雄鉄路地下化展示館」とされている旧駅舎は、駅前広場に移され、新たに新駅の入口として再利用されます。

全体完成予定は2023年。新駅舎が高雄の代表的なランドマークとしての期待が寄せられています。

ただ現地の人の話では、工事の進捗が遅れているようで、2023年の完成は難しいと言われています。

現在の高雄駅

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そうした中、昨年10月14日に台鉄の地下駅が1年遅れで、オープンしました。これが現在の高雄駅です。

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1階部分は、今のところなにもなく殺風景です。エスカレータで降りると、そこには、大きなメインホールがあります。

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こちらを降りていくと、MRTの改札口に行きます。MRTの改札は地下3階にあります。

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天井を見上げると、それは独特の形をしています。雲をイメージしたそうです。天井には巨大な円形の窓があり、地下まで自然光が差し込むようになっています。

オランダにあるMecanoo社の建築家フランシーヌ・ホウベン(Francine Houben)氏が設計しました。

現在では、仮設駅やバスターミナルの建物はすでに解体されています。


高雄鉄路地下化展示館

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これが、旧高雄駅です。

形が「高」の字をモチーフにして作られたと言われています。確かに「高」の字に見えます。

2002年に、ちょうど西側にあった駅舎を平行に1日に約6メートルずつ動かし、2週間かけて移動させました。当時、約10万人が見学にきたそうです。

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現在は、「高雄鐵路地下化展示館」として現高雄駅の地下化プロジェクトの展示館として一般に公開されています。(入場無料)

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なかは、2023年の完成時の様子が、映像で紹介されたり、ジオラマやパネルなどの展示がありました。

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ジオラマを見る限り、2023年には駅周辺は一変するようです。

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新駅は、地下3階の構造になっています。

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寺廊前広場の要素を融合したものになるとの解説がありました。
昨夜訪れた、三鳳宮を思い出します。

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完成したら、是非、見に来たいです。

高雄鐵路地下化展示館
所在地: No. 318號, Jianguo 2nd Road, Sanmin District, Kaohsiung City, 台湾 807
営業時間:火曜日~日曜日 10時~18時