サウジアラビア
これまで、サウジアラビアでは、女性が海外旅行する際、父親や夫などの男性の後見人の同意を得なければ、パスポートを申請することができませんでした。

それが、2019年8月末に施行される新しい国王令により、21歳以上の女性は保護者の同意なしにパスポートを申請することができるようになります。

国王令とありますが、サウジアラビアには、国会がありませんので、日本で言うところの「法律」がありません。それに代わるものが、国王が発する「国王令」です。

サウジアラビアは、女性が、結婚、離婚、または子供の出生を届出を自分自身でする権利を認めた国王令も発表しました。しかし、女性に対する「後見人制度」がなくなったわけではなく、依然として、女性が刑務所を出るときや、結婚するときなどには、保護者(男性)の同意が必要です。女性は、男性とは異なり、子供が結婚することに同意することはできません。

家族が彼女を虐待したとカナダに亡命した18歳の女性のニュースが、今年注目を集めましたが、こうした社会制度が女性が海外に亡命してしまう背景にあります。

アムネスティは、サウジアラビアの女性の権利を改善するためにはまだ多くのことを行う必要があるが、新しい国王令は後見制度の効力を低下させる可能性があると述べましたが、まだまだ先は長そうです。