こんばんわ~ 「50代 一人旅に目覚めた男」の管理人ゆーさんです

日本では、今年、大阪府北部での地震に始まり、西日本豪雨災害、台風21号による災害、北海道大地震と、大きな災害が続いていますが、シンガポールは、台風や地震などの自然災害がほとんどありません。

先日、シンガポール人の友人から「台風大変だったね。ところで台風ってどんな感じですか」という質問がメールで送られてきました。よく聞いてみると、これまでまったく台風を経験したことがないというのです。

そこでは、今日は、シンガポールのではどうして台風がないのか、まとめてみたいと思います。


本当にシンガポールには台風が来ないのか

台風の発生地点
これは、国立情報学研究所が運営しているサイト「デジタル台風」というデータベースから、1951年から2017年までに発生した1,776件の台風の発生場所を地図に落としたものです。

ほとんどの台風は北緯5度から北緯30度までの間で発生しています。

シンガポール付近で発生しているのは、2001年12月27日に1件だけです。

通常、北半球で発生する台風は、北向きに進路をとりますので、シンガポールでは、ここ70年近くはほとんどまったく、台風の影響を受けなかったと言えます。

どうして台風が発生しないのか

Typhoon_200418_SONGDA
赤道の南北5度以内では台風はほとんど発生しないと言われています。

シンガポールの緯度は、北緯1度17分とほぼ赤道直下にあります。

地球が自転する際に発生するコリオリの力により、台風は発生すると言われているのですが、これが赤道付近では働かないため台風が発生しないというのが通説です。

それではどうして赤道付近ではコリオリの力が働かないか?

赤道付近と北極付近とも24時間で1周しますが、1周する距離が全く違うので、それぞれの回転速度は全く違い、赤道付近のほうが北極付近よりもはるかに速くなります

回転速度が速いということは、地球の自転による慣性力を受ける影響が小さくなる、つまりそれだけコリオリの力が小さくなることを意味します。

「コリオリの力が働かない」という意味は、赤道付近では、コリオリの力がまったく働いていないようにみえるほど、コリオリの力が小さいということです。

コリオリの力とは

Corioliskraftanimation

コリオリとはこの力を発見したフランスの科学者ガスパール=ギュスターヴ・コリオリの名前が由来となっています。

コリオリの力は回転する物体の表面上で移動した際にかかる慣性力のことです。

地球はご存知のように東に向かって自転しています。

自転、つまり、地球は回転することにより慣性力が発生します。

この慣性力こそ、コリオリの力です。

この力の向きですが、地球は右(東)に向かって回転しているので、例えば赤道上にいた人がそのまま北極に向かって歩いて行けば左側から慣性力を受けます。

回転している向きに垂直方向に移動すれば必然的に回転と同じ向きに慣性力が働くということです。

地球上で立って普通に歩く人間にはその力が弱すぎるので実感することはほとんどありませんが、台風のような巨大な渦になるとコリオリの力の影響が大きく出てきます。

日本の南の海上で発達した台風は北上を続けます。北に移動するということは左側(西からの)力を受けるので低気圧の中心に向かって吹いた風が反時計回りに流れ込むということになります。

これが台風が左回りになる理由です。

4 まとめ

地球の自転の向きを変えることはできないので、日本は台風の直撃を受けることから逃れることはできません。

これからも台風被害があることを前提に、我々日本人は生きていかなければなりません。

それにしても、台風被害のないシンガポールは、とてもうらやましいです。

台風や地震など自然災害が少なく、社会インフラや経済的な損失が少なかったこともシンガポールが経済的に発展した一因だと思います。

それを考えると、今後もますます、シンガポールに日本は経済的に差をつけられる可能性が高そうです。