ベルリンUバーン
◆旅行者にとって不便なベルリンの交通機関
ドイツのベルリンでは、これまでICOCAやSUICAなどのような交通系ICカードなどが一切なかったため、Uバーンやバスなどを利用する際は、毎回きっぷを買わなくてはならず、外国人旅行者にとっては大変不便でした。

昔ながらの現金できっぷを買うというベルリンのシステムは、ドイツ人の「現金主義」にこだわる国民性にあるという人もいます。

◆今夏、交通アプリ「Jelbi」を導入予定
しかし、そのベルリンでも、この夏から、旅行者たちは、公共交通機関、レンタサイクル、カーシェアリング、ライドヘイリング・サービス(Uber、Grab etc.)そしてタクシーをそれぞれのサービスを一つのアプリで利用できるようになるようです。

リトアニアのスタートアップ企業「Trafi」はベルリン市交通局「BVG」と協力して、今年の夏に発売される「Jelbi」という新しいアプリを開発しました。 BVGはベルリンで列車、路面電車、バス、フェリーを運航しており、年間10億人以上の乗客が利用しています。

Trafiによれば、ベルリンはすべての交通サービスの支払いを1回のログインだけで済むアプリを利用できる最初のヨーロッパの主要都市になるということです。同様のサービスはビリニュス(リトアニアア)、リオデジャネイロ(ブラジル)、ジャカルタ(インドネシア)でもすでに利用可能です。

複数の交通機関と取引する煩わしさを排除するこのようなアプリは、混雑を減らそうとする都市にとって重要であると考えられています。交通の専門家たちも「これはまさに正しい方向です」と言っています。

都市の人口が400万人に向かうにつれて、ベルリンの老朽化した交通システムは逼迫しています。近年、ベルリン市は、レンタサイクル、カーシェアリング、ライドヘイリング・サービスのような新しいサービスを既存のインフラストラクチャに統合することに腐心してきました。

Trafiの関係者によれば、BVGとこれら新しいサービスとを統合することに大きな利点を感じているとのことです。

小規模の交通機関が、顧客が市内をどのように移動しているかについてのリアルタイムの情報を含め、アプリからのデータに平等にアクセスできるかどうかは現時点では明らかではありません。

遅きに失するベルリンですが、このサービスを導入したことで、旅行者をどれだけ呼び込めることができるのか注目していきたいと思います。