ジェットブルー
飛行機のフライト時間が数十年前よりはるかに長くなっているという現実をご存知でしょうか。

 例えば、1973年にニューヨークからテキサス州ヒューストンまでわずか2時間半でした。 しかし、現在は同じフライトがほぼ4時間かかっています。

なぜ同じ距離を飛行するのに長い時間がかかるのか。 答えは、簡単で燃料効率をあげるため、航空会社が意図的に飛行時間を長くしているからです。

20年足らずで、飛行機の燃料価格は1リットルあたり約8米セントから、1リットルあたり50セント以上に上がりました。 燃料価格が1リットルあたり1.03ドルに達した2008年に、LCCのジェットブルー航空は各フライトを2分ほど飛行時間を長くしたことで約1,360万ドル節約したと言われています。

また、燃料コストを下げるために、航空会社は飛行機の重量を軽くしようとしています。 具体的には、より軽い機材を使用したり、手荷物により高い料金を請求するなどの取組を行っています。

一方で、航空会社が時間に正確だと思われるように到着予定時刻に数分加算する「スケジュール・パディング」と呼ばれるものにより、飛行時間が長くなるケースもあります。

 例えば、チケットには午前10時30分到着と記載しているが、実際の到着時刻は午前10時15分というものです。こうすることで、できるだけ遅延によるクレームを減らす狙いがあります。

2005年の2月から、EUの空港に到着する、あるいはEUの空港から出発するフライトが3時間以上遅れるなら、その搭乗者は最大約670ドルを受け取ることができるようになりました。こうしたある種、賠償金の支払いを減らすため、航空会社は、「スケジュール・パディング」を行っているケースもみられます。

燃料コストの問題、スケジュール・パディングという2つの理由から、飛行時間がいつのまにか長くなってしまったというのが今日の知られざる航空事情の一つです。